神奈川県横浜市神奈川区の小さな川「砂田川」を流れる透き通った水。澄んだ水の中には、魚の姿も見える。しかし以前は、生き物が住むことのできない“死の川”だった。そんな“死の川”を蘇らせた砂田川水辺愛護会・会長の田中揚子さん（81歳）は「ゴミが植え込みの中に突き刺さっていたり、川の中にプラスチックゴミとか（捨てられていた）」「川底はヘドロ状態でした。それで魚の影も全く見えなくなって、なんとか川を守りたい。そういう思うで声を掛けて」と話す。田中さんは、神奈川県横浜市を流れる砂田川で清掃活動を20年以上続けてきた。当時はたった3人で始めた清掃活動だが、今では20人ほどが所属するボランティア団体「砂田川水辺愛護会」となり、川の清掃や周辺の美化作業などを続けている。こうした長年の功績が認められ、環境大臣賞など数々の賞を受賞してきた。田中さんは「（砂田川は）昔は小さな川で、雨が降ると洪水が起きて床下浸水の被害が何回かありました」と話す。砂田川は、改修工事などを経て“洪水被害から街を守る存在”になった。“私たちを守る川がゴミで汚れていくのは見ていられない”と、川をきれいにすることを決意した田中さんは「私たち一代の仕事ではなくて、川を思う人材を育てていきたい。何年先までも、この川が形を残していけるようにやっていきたい」と話す。