第二次世界大戦で硫黄島の戦いが終結してから今日で80年。島で戦死した人のうち1万1000人の遺骨は今も見つからず現在も収集活動が続いている他、見つかった遺骨を遺族の元に帰すことも大きな課題となっている。新潟県長岡市に住む高橋春男さん、83歳。高橋さんの父・杵渕留吉さんは1945年3月に硫黄島で戦死した。第二次世界大戦の激戦地、硫黄島では1945年2月から3月にかけアメリカ軍との戦闘で日本軍およそ2万2000人が玉砕。1万1000人余りの遺骨は現在も見つかっていない。留吉さんの遺骨は2014年に発見されていたが、2021年に国が行う遺骨のDNA鑑定に高橋さんが申請したことがきっかけで血縁関係を認められ77年を経て家に戻ることができた。しかし、高橋さんのように硫黄島で発見された遺骨のDNA鑑定で身元が特定されたケースはこれまでに6件だけにとどまっている。厚生労働省は遺骨と遺族の検体を照合するDNA鑑定を無料で行っていて、1人でも多くの遺骨を遺族の元に帰すことができるように協力を呼び掛けている。