サキドリくんがやってきたのは広島東洋カープのキャンプ地・宮崎県日南市。新井監督が就任した昨シーズンは5年ぶりのAクラスとなる2位。11勝を挙げた床田をはじめ、ブルペンでは先発陣が熱のこもったピッチングを見せる中、サキドリくんが熱視線を送るのは今年先発陣の新たな柱として期待される逸材、24歳の遠藤淳志。プロ7年目の昨シーズンは開幕ローテーションに入りプロ初完封。新井監督に初勝利をもたらした。しかし勝利できたのはその時の1勝のみ。だからこそ「今年こそは」という思いを誰よりも強く描いている。勝負の1年が幕を開け自主トレに励む遠藤。そこには広島のレジェンドでメジャーリーガーの前田健太の姿があった。日米通算162勝を誇る前田健太に伝家の宝刀・マエケンスライダーを教わる。昨シーズンまで遠藤が得意としていたのは伸びのあるストレートと緩急をつけてタイミングを外すチェンジアップ。「スライダー」とは利き腕とは反対側に曲がる変化球のこと。「マエケンスライダー」もストレート・チェンジアップと途中まで同じ軌道のため、バッターにとっては見極めが難しく厄介なボール。伝授されたマエケンスライダーを見てみると、キャッチャーの手元で曲がるのがよく分かる。前田は「僕もスライダーが良くなってから成績がすごく良くなったので、遠藤もスライダーが良くなると劇的に変わると思う」と話す。そして迎えたキャンプ初日、レジェンド・黒田球団アドバイザーや新井監督が見つめる中、自主トレで教わった新魔球を早速試す姿があった。シーズンに向け、新魔球の精度を高める遠藤。勝負の1年、開幕まであと53日。あすはソフトバンクの注目選手を紹介する。