先月新しく相撲部屋を立ち上げた元大関琴奨菊の秀ノ山親方。初めての本場所をふるさと福岡で迎える親方にぶつかり稽古のごとく密着した。福岡市から電車で1時間ほどの所にある柳川市。御当地出身の秀ノ山親方は九州場所が終わるまで公民館を借りて宿舎としこの土俵などで稽古を重ねている。稽古の様子を間近で見てほしいという親方の方針で地元の人も大勢見学にやってきている。この日は散歩の途中の園児の姿もあった。親方がこの公園を稽古の場所に選んだのは理由があった。親方は小学生のころこの公園で稽古を積み大相撲の道を志した。角界に入ったあとは9年という歳月をかけて大関まで昇進。地元柳川の人たちの応援が相撲人生の支えだった。地元にとって、今も秀ノ山親方の存在は誇り。象徴するのが、母校の中の一室。現役時代から続く、親方との交流の記録が残されている。宿舎には連日たくさんの差し入れが届く。地元の人たちに恩返しをしたい親方はある催しを企画した。地元の人を招いてちゃんこ会を開こうという。弟子と一緒に500食分を用意。ちゃんこ会当日、町の人が続々と集まった。公園の土俵では即席の相撲大会も始まった。その1年納めの大相撲九州場所、いよいよ今度の日曜日から初日を迎える。