島根県西部の伝統芸能「石見神楽」は江戸時代に起源があると言われ、日本遺産に認定されている。古事記や日本書紀などを題材にした演目が中心で火を噴く大蛇など迫力満点の演出が特徴。その石見神楽は来月、大阪関西万博で世界に向け公演が行われる。大蛇を演じる22歳の男性は若手世代の代表として大舞台のメンバーに選ばれた。蛇胴は長さが15m以上あり自在に操るには高い技術が必要。神楽に真摯に向き合う男性の姿勢は社中のメンバーからの信頼も厚い。仕事の休憩中も神楽の動画を見て研究。高校卒業後、進学などで一度離れた神楽だったが「神楽なしでは生きていけない」と思ったという。1970年の大阪万博で大蛇を担当した名人の男性と2人3脚で美しい大蛇を目指す。今回の神楽のポイントは55頭の大蛇が息を合わせるところ。男性は「それぞれの社中で舞い方は違うけど、そこが練習で1つになるのが面白い」と語った。