福島市は東北でも有数のりんごの産地。しかし出荷作業の中で毎年頭を悩ませるのが、色むらや傷など贈答品や店頭に並べるには見栄えが悪い規格外のものが出てしまうこと。規格外は収穫の3割にも及び、果樹園ではこれまで業者に格安で販売したり、自社でジュースやジャムにして売っていたが、それでも余った分は廃棄していたという。果樹園で課題となっている規格外を何とかしようと、福島市観光コンベンション協会・金澤千裕さんは3年前に観光キャンペーン「アップルホリディ」を立ち上げた。コンベンション協会が市内の果樹園と飲食店や宿泊施設を仲介し、果樹園で出た規格外のリンゴを以前と比べて20倍ほどの値段で取り引きしてもらい、各店舗で規格外を使った新メニューを開発して県内外の客に楽しんでもらおうというもので、ことしは49の事業所が参加した。アップルホリデイが始まったときから参加している飯坂町のカフェでは、キャンペーンの期間中果樹園から週に10キロから20キロほどリンゴを購入し、スイーツを提供している。果樹園の吾妻正一さんは、今まで廃棄していた分を事業者さんに使ってもらって付加価値が付いてくるのでお互いWin-Winの関係を保てると話した。