福島第一原子力発電所の事故の発生からあすで13年半。1号機から3号機には溶け落ちた核燃料と周囲の構造物が混ざり合った核燃料デブリがおよそ880トンあると推定され、極めて強い放射線を出し続けその取り出しは廃炉最大の難関とされている。先月22日、事故後初めて試験的な取り出しに着手する計画だったが装置の取り付けミスで直前で延期されていた。計画では細いパイプ状の装置からケーブルで下ろした器具で格納容器の底にあるデブリを数グラム回収する。再発防止策を取ったうえできょう午前7時20分に格納容器の内部に通じる配管に装置を入れ、取り出しに着手したと発表した。完了までには順調に進んでも2週間程度かかるとしている。核燃料デブリの取り出しは2021年までに始めるとした当初の計画から3年遅れているが、政府や東京電力は試験的な取り出しで得られる核燃料デブリの性質や状態などのデータは本格的な取り出し工法の検討など、今後の廃炉を進めるうえで欠かせないとしていて成否が注目される。