将棋の八大タイトルの1つ叡王戦の最終局が甲府市で始まった。藤井聡太八冠が4連覇でタイトル独占を維持するか、挑戦者で同い年の伊藤匠七段が初めてタイトルを獲得するか、対局の行方が注目される。第5局は甲府市のホテルで行われ、伊藤七段が先に対局室に入り、続いて藤井八冠が入室して盤の前に座った。叡王戦五番勝負はここまで藤井八冠と伊藤七段がともに2勝し、決着は最終局の第5局に持ち込まれた。先手は藤井八冠になり、午前9時、対局が始まった。藤井八冠はお茶を一口含んだあと飛車先の歩を突き、続いて伊藤七段も同様に歩を動かして応じた。藤井八冠は去年、史上初めて八大タイトルを独占。4連覇がかかる今回の叡王戦では先に2勝され、角番に追い込まれたが、後がない状況で臨んだ第4局に勝利し決着を最終局に持ち込んだ。一方、伊藤七段は去年の竜王戦、ことしの棋王戦で藤井八冠に挑戦したが、いずれも敗れていて3度目の挑戦で初めてのタイトル獲得を目指す。最終局の勝敗は今夜決まる見通し。