アメリカのトランプ大統領が世界に課した相互関税が、きょう午後1時過ぎに発動された。日本政府はこれまで、日米合意によって従来の関税が15%未満の品目については「15%に引き上げられる」と説明してきたが、実際に発動された関税は15%の上乗せだった。埼玉県川島町の老舗醤油メーカーでは3%の関税率が18%になり、混乱に怒りをにじませていた。深刻な打撃は和牛にもあった。牛肉の関税率はこれまで26.4%で15%を超えているため据え置かれるとのことだったが、15%を上乗せされ41.4%まで跳ね上がってしまった。振り返れば、トランプ関税に振り回された4か月だった。交渉を繰り返すこと8回、先月に日米がようやく合意した。ただ合意文書が交わされず、約束が覆されるのではないかと当初から懸念されていた。ワシントン支局の涌井記者は「税関当局の書類に落とし込む事務レベルで意思疎通がうまくいかなかったのか、あるいはハイレベルの意思が働いたのか明らかではない。そこで何か違いが起こってしまったのは間違いない」などと指摘した。関税引き上げに伴う輸入品の値上がりは、アメリカの消費者の負担増につながりかねない。日本の食材を扱うスーパーでは4月以降多くの商品の仕入れ値が約1~2割上昇し、その分を価格転嫁しても今のところ客足は鈍っていないという。アメリカで大人気になっている抹茶も、関税の影響を免れないかもしれない。
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