名門レーシングチーム・TOM’S。実に50年、彼らが積み重ねてきた足跡は日本のモータースポーツの発展に大きく貢献してきた。舞台はスーパーGT。虎視眈々と年間チャンピオンを狙うドライバーコンビがいた。37号車、Deloitte TOM’S、笹原右京。そして、ジュリアーノアレジ。残り2戦、ポイントランキングでトップと2ポイント差の2位につけている。一方、首位を走るのがディフェンディングチャンピオンの36号車、au TOM’S。奇しくも背中を追う最大のライバルが同じTEAM TOM’Sだった。年間チャンピオンに輝いた36号車とは対照的に15位に沈んだ昨シーズン。同じTOM’Sなのに差を比べられ、それでも2人は這い上がってきた。待望の瞬間は第3戦、勝利の女神がほほ笑む。苦しんだ末につかんだ初勝利。さらに勢いそのままに第6戦も制覇。瞬く間にチャンピオン争いに名乗りを上げた。迎えた運命の第8戦。笹原、アレジの37号車は首位の36号車より前でチェッカーを受けることが年間チャンピオンへの近道。37号車は8番手スタート。序盤から攻め続け2つ順位を上げる。ところが12周目に無念のリタイア。年間チャンピオンへわずかな望みを残すも厳しい結果となった。一方、優勝は圧巻の強さを見せた36号車。au TOM’Sはこれで年間チャンピオンの座を大きく引き寄せた。