衆議院選挙の投開票まであと4日。多くの政党が最低賃金1500円への引き上げを公約に掲げている。一方で中小企業にとっては継続的な賃上げは大きな課題となっている。茨城県にある創業96年の根本製菓はせんべいとおかきの店。従業員20人の中小企業だが収益を上げて賃上げしたいと考え、3年前からせんべいの手焼き体験を始めた。この体験は好評で客足が伸び、ことしは約5%の賃上げを実現。原材料費やエネルギー代、コメ価格が高騰したことも大きな負担になったが、業務を効率化することで余計な残業代を省いて賃上げを実現したという。ただ、継続的な賃上げには不安をのぞかせた。さらに時給がアップすると「年収の壁」を意識して「働き控え」につながりかねず、人手不足になるのが心配だという。鋳物メーカーの伊藤鉄工はことし5.8%の賃上げを実現。しかし円安の影響で原材料費が高止まりが続き、賃上げのため取引先に再度値上げ交渉するという。伊藤暢宏社長は国に対し「設備投資での補助金の増強と人材の支援をお願いしたい」と要望している。