武部さんが音楽人生で一度だけ心が折れそうになったのが、90年代のダンスミュージックの大旋風の時期。編曲家としてダンスミュージックも作れないとダメなのかやらなくていいのか葛藤していた。そんな中でも自分を信じられたのは、松任谷由実の存在と「今、はやっているからと言って取り入れたら自分の色をうすめることになる」という言葉。いつか自分が1番得意な音楽で勝負できる時期が来るから自分の考えは曲げないと得意なものを追求していこうと思えたそう。第一線で活躍を続ける人は、ブレない芯のようなものを持っていると武部さんは語る。編曲家はイントロや間奏を作るが、筒美京平は自身も編曲するため、斉藤由貴「卒業」はフレーズをどういう設えで届けるといいかを考えて音色などを考えながら編曲した。編曲家としての信念は、映像が見える音作り。多忙な武部さんさんの一面について、一青さんは「決断も早いし作る音楽も完璧。迷いがない」と表す評する。
