簡易宿泊所が建ち並ぶ東京・台東区と荒川区にまたがる通称“山谷地区”で、路上生活をしている人や生活保護をしている人たちを支援している一般社団法人結YUI代表・義平真心。普段は観光客向けの宿泊所や生活保護の人を受け入れる福祉向けの宿の運営を任されている。去年、宿の屋上に菜園を作った。多くを騙らない生活保護の人と深く交流することで必要な支援を見出したいと考えている。義平は東京大学大学院で街づくりの研究をしていた約20年前に初めて山谷地区を訪れた。貧困から絶望感に陥る人たちの姿に衝撃を受けたという。一人一人に沿った支援が必要と感じ、義平は現場で支援する道に進んだ。今年4月には宿泊所の1階にコロナの影響で休業していたカフェを再オープンした。山谷に暮らす人と山谷を訪れる人の交流拠点が必要と感じている。カフェで働いている男性も支援を受けていたが、義平と出会い一緒に働かないかと声をかけられたという。かつて支援を受けていた人たちもカフェに集まり路上生活をしている人に食事を届けるボランティアも行っている。義平は「山谷でこそのやり方があり、人が再生してまちが再生していく」と話す。