厚生労働省が発表した毎月勤労統計調査の速報値によると、基本給や残業代などを合わせた現金給与の総額は1人当たり平均で29万6588円と、前の年に比べて3.0%増加し32か月連続のプラスとなった。このうち基本給などにあたる所定内給与も3.0%増加し、31年10か月ぶりの高い伸び率だった。一方で物価の変動分を反映した実質賃金は物価の上昇に賃金の伸びが追いつかず0.6%減少した。実質賃金はことし6月に27か月ぶりに増加に転じたが、再びマイナスに転じた。赤澤経済再生担当大臣の会見「よい知らせではない。実質賃金がプラスが続かないと間違いなく国民生活は苦しくなっていく」などと発言。総務省が発表した家計調査によると、ことし8月に2人以上の世帯が消費に使った金額は29万7487円で、前の年より実質で1.9%減った。減少は2か月ぶり。相次いだ台風や南海トラフ地震の臨時情報の発表を主な理由に挙げていて、自動車販売店の休業で自動車の購入費用が減ったことなどから交通通信は17.1%、旅行関連の支出などの教養娯楽は6.9%減少している。総務省は「災害のない状況で消費が戻るのかを注意深く見ていきたい」としている。