国会が閉会し、けさの岸田総理大臣はノーネクタイだったが、表情は緩めずに官邸に入った。永田町では、早くも次の焦点、自民党総裁選挙を巡る駆け引きが始まっている。この週末、党内からさまざまな発言があったきょう午前に行われた林官房長官の会見で、記者団から「菅前首相は“国民の政治不信は、責任を取っていない岸田首相に一因がある”との考えを示した」との質問が。菅前総理大臣の発言は、昨夜出演したオンライン番組でのもの。菅前総理は政治とカネを巡る問題で「岸田総理大臣自身が責任を取っておらず、不信感を持つ国民は多い」と述べたうえで、「総裁選挙で党勢回復に向けて、刷新感を示すことが重要だ」という考えを示した。林官房長官は「個々の発言について政府としてコメントは控えたい」と述べた上で、「先日岸田総理大臣が述べたとおり、国民の政治に対する不信の声を真摯に受け止めつつ、先送りできない課題に引き続き専念し、結果を出していきたい」と述べた。この週末、自民党総裁選挙を巡る発言が相次いだ。自民党茂木派・東国幹議員は党の会合で「岸田総理大臣は、軽々しく再選と口にするのではなく、思いとどまってほしい」と発言。その翌日、総裁選挙への対応を問われた自民党・茂木幹事長は「夏の間によくいろいろ考えたい」と語った。過去に総裁選挙に立候補した自民党・石破元幹事長は、東京都知事選挙が行われていることなどを念頭に「命運をかけた選挙なので、そういうときに自民党の中で“お前辞めろ”とかいうのはいいことだとは思っていない」と述べた上で、「この国をどうするのということについて、きちんと答えられるようでなければ、“総裁選挙に出る”などということは、国民に対し、こんな失礼なことはない」と述べた。総裁選挙を巡る発言。国会が終わり、早くも相次いでいる。今回の総裁選挙は、いわば派閥なき総裁選で、これまで以上に読みづらい展開になることも予想される。派閥の廃止を訴えてきた菅前総理大臣は、政治資金問題を受けて解散を決めた、安倍派や二階派の議員などと今月会合を持った。また派閥を存続させている麻生副総裁も、茂木幹事長や岸田総理大臣と相次いで会っていて、菅前総理と麻生副総裁2人の実力者が誰を推すのか注目を集めている。一方、立憲民主党・安住国会対策委員長は「顔をかえれば国民が支持してくれるかといえば、そうではない」と話していた。ただ野党を取材すると、新たな自民党総裁の下で衆議院が解散されることを警戒する声もある。まずは岸田総理がどう動くのか、対立候補は名乗りを上げるのか、こちらも暑い季節を迎えそう。
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URL: http://www.kantei.go.jp/
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