イタリアのメローニ首相は中国の巨大経済圏構想「一帯一路」からの離脱後、初めて中国を訪れ、きのう習近平国家主席と会談し貿易の不均衡を是正する必要性を強調した。習主席は是正に応じる姿勢を示すとともに、貿易摩擦を抱えるEU(ヨーロッパ連合)との関係の安定化に向けてイタリアの役割に期待を示した。会談でメローニ首相は、“貿易関係のバランスを保つことに取り組みつつ、新しい経済協力の形を模索したい”と述べ、貿易の不均衡を是正する必要性を強調した。中国外務省によると習主席は“イタリアの良質な製品がより多く輸入されることを歓迎する”と述べ、イタリア側の求めに応じる姿勢を示した。メローニ首相の中国訪問はイタリアが去年、貿易赤字の拡大などを背景にG7主要7か国の中で唯一参加していた「一帯一路」から離脱して以降、初めて。イタリアとしては中国経済への過度な依存を避ける形で中国との経済的な関係を立て直したい考え。一方、習主席は“中国とEUの関係の安定と発展に建設的な役割を果たしてほしい”と強調し、EV(電気自動車)などを巡って貿易摩擦を抱えるEUとの関係の安定化に向け、イタリアの役割に期待を示した。中国としてはメローニ首相の訪問を通じてイタリアとの関係をつなぎ止めたい思惑があると見られる。