撤退する病院も相次ぐ「救命救急センター」の実態を伝える。奈良市の奈良県総合医療センターの藤井真輝さんは救急科専門医で、救急車で運ばれる患者のベッド数の管理なども受け持っている。救命救急センターは「最後の砦」と言われている場所で、奈良県総合医療センターは年間約7000人の患者が搬送される。救急専門医の数は年々増加傾向にあるものの、必要数約1万人に対し6000人にしか及ばない。高齢化による搬送者数の増加や時間外労働の上限規制などが、必要数の多さにつながっている。藤井さんは当直明けで手術をするなど、28時間勤務の日々を過ごしている。一方、奈良・生駒市の近畿大学奈良病院は、23年前に救命救急センターを設置したが、先月末に救急医の1人が定年退職し、医師の補充ができないとしてICUと救命救急センターを合体させた「救急集中治療センター」として対応することになった。他科を巻き込み、病院全体で救急を支えることを決めたという。救急医療は医師・病院の努力に依存しており、国の関与が必要との指摘が出ている。
