先月、栃木県の県立高校で牛の避難訓練が行われた。大規模な地震により断水などが長期化ことを想定し、近くの畜産農家などから校内の放牧場へ避難させるもの。避難先の放牧場は土砂災害の恐れのあるエリアの外にあり、近くには飲水になる沢水などもある為、一定期間牛が無事に過ごせることが期待できる。訓練を計画したのは高校で畜産を学ぶ生徒たち。畜産農家は大きな自然災害の度に廃業の危機に追い込まれている。停電や断水、道路の寸断により餌の確保などが難しくなる他、農家自身が避難を迫られ飼育現場から離れざるを得ないケースもある。去年の能登半島地震では能登地方にあった5つの畜産農家が廃業。そんなケースを減らそうと避難訓練を計画した。今回の訓練では学校から6kmほど離れた牛も実際に避難させた。牛を運ぶ運搬車は一台のみで、全ての牛を避難させることは困難だという。災害から地域の畜産を守ることを目指してよりよい避難のあり方の模索が続く。