兵庫から10代の女性2人がやってきて、2時間かけて1年後の自分に宛てた手紙を執筆した。1人はバスケ部の先輩が引退してしまうことに悩みつつ、後輩がいるからと自らを奮い立たせる内容にしたという。彼氏が30歳の誕生日を迎えたということで、記念に手紙を書いたカップルもいた。店には自らに向き合いたいという人が絶えない。店のオーナーで詩人の小山将平氏は新卒で入った会社を半年で辞め、仲間とベンチャー企業を立ち上げたが軌道に乗せることができず、自分と関係なく世界が回っていくことに恐ろしさを感じたこともあった。そんな時、ノートに綴ってきた言葉を見返すと、過去の自分が未来に宛てて書いた手紙ではないかと思ったという。店では発送を待つ手紙が3500を超える。
沖縄生まれ、沖縄育ちのまいかさん（20）は1年前の自分が綴った手紙を開封した。大好きなアーティストのライブ、どしゃぶりの雨に遭遇したハプニングなど、東京での一人旅の思い出が記されていた。友人の女性2人は大学生活最後の夏休み、社会人になる自分に宛てた手紙を受け取った。1年前の自分が今の自分を気遣う内容で、未来を見通しているかのようだと驚いていた。また、友人2人がお互いを気遣う手紙も同封されていた。24歳のあんずさんは前年、無職で実家暮らしだったが、一人暮らしを始めていた。手紙には今の自分を肯定する言葉が綴られ、あんずさんは「優しくなる気がします、自分に」と語った。