東京女子医科大学の同窓会組織をめぐる不透明な資金の流れなどについて、大学が設置した第三者委員会が調査報告書を公表した。東京女子医科大学では、同窓会組織「至誠会」をめぐり不正な経理処理があったとして警視庁の捜索を受けたほか、会への寄付額が人事評価や推薦入試の過程で考慮されていたことなどが明らかになっている。不正な経理処理については至誠会から大学に出向した職員に給与が過大、あるいは二重に支払われた疑いが濃厚だとしたほか、理事長の知人が代表を務める会社と大学法人の間で結んだコンサルティング契約で会社への支払いが理事長側に還流した可能性が高いなどと指摘した。そのうえで岩本絹子理事長について異論を述べた人物に報復が疑われる人事を行うなど「岩本一強」体制が問題の背景にあり、理事会も機能不全に陥っていたとして抜本的な改革が必要だと結論づけた。調査報告書を受けて東京女子医科大学は新たに委員会を立ち上げて、再発防止策と管理運営体制の再構築を盛り込んだ改善計画を策定することを明らかにした。