サンゴの一斉産卵が確認されたのは奄美大島と加計呂麻島の間にある大島海峡の水深3メートルの場所。奄美海洋生物研究会・興克樹会長が今月14日の夜に撮影に成功した。映像では直径0.5mmほどのバンドルと呼ばれる卵と精子が入ったカプセル状の粒がサンゴの表面から放出され、ゆっくりと海の中を漂う神秘的な様子が捉えられている。撮影した際にはミドリイシ属の3種類のサンゴの産卵が確認され、幻想的な一斉産卵の様子は30分ほど続いたという。バンドルは一斉に放出されたあとはじけて受精し、数日から数週間海を漂い岩などに定着する。奄美大島では去年の夏に海水温が上昇した影響でほとんどの海域で「白化現象」が確認され、生きたサンゴが広がる面積を表す「被度」が16.6%まで減るなど広い範囲でサンゴが死滅した。