窯元の仕事始めにあたる「初窯出し」は、ことし初めて窯から作品を取り出す作業。有田町にある人間国宝の十四代今泉今右衛門さんの窯ではけさ、窯の前に設けられた祭壇でことし1年の安全や商売繁盛を祈願した。このあと、窯の入り口をふさいでいたレンガを少しずつ崩して400点近くの作品が取り出されると、今右衛門さんが1つ1つ手に取って出来栄えを確かめていた。このうち、今右衛門さんが特に印象的な作品として挙げた「色絵薄墨墨はじき猪干支四季花文花瓶」は、全体に干支の十二支が描かれた幅約40センチの花瓶。この花瓶は、薪の窯でしか出せないというグレーの発色が特徴的で、「墨はじき」と呼ばれる墨で模様を描く技法が多く使われている。十四代今泉今右衛門さんのコメント。