山梨大学医学部で中村准教授らが開発する花粉症の新薬「MOD000001」。体内に入ってきた花粉を異物と認識すると、鼻の粘膜などにあるマスト細胞に花粉を感知するセンサーができる。たくさん花粉が入ることで、敵だと判断し、攻撃するためのヒスタミンがマスト細胞から放出される。これがくしゃみなどの原因になる。従来の市販薬は、ヒスタミンを抑えようとするものだったが、「MOD000001」は、マスト細胞そのものを減らそうとするもの。マウスの実験では、MOD000001を飲ませるとマスト細胞が減少した。これはヒトのマスト細胞でも同様の結果が見られたという。マスト細胞は寄生虫に対する防御に重要な細胞だが、今は寄生虫感染がなく、減っても問題ないとみている。MOD000001では副作用は見られていないという。使用までには、5年から10年ほどかかるという。