長崎県佐世保市の男性が若年性認知症と共に生きる自分の気持ちを短い歌にして発信している。病と向き合う不安や日常の喜びをありのままにつづった歌は認知症の当事者たちから共感を得ている。歌を書いた福田人志(61)さん。10年前、若年性アルツハイマー型認知症と診断された。病と向き合う自分の気持ちを落ち着けるため10年前から歌を書いてきた。これまでにおよそ500作品。絵を添えて展示会などで発表し、多くの共感を呼んできた。高校を卒業して料理人の世界に飛び込んだ福田さん。10年前、料理の味付けや手順のミスが増え、若年性認知症と診断された。仕事を辞め、塞ぎ込む日が続いた。当時からそばで支えてきたパートナーの中倉美智子さん。福田さんは診断から数ヶ月後、人生を終わりにしたいと中倉さんに打ち明けた。その時にかけられた言葉がある。次第に歌は前向きなものに変わっていった。診断を受けて10年目の春。症状の悪化を感じることが多くなった。それでも福田さんは不安を乗り越えて生きていきたいと考えている。