標高1465mの約2時間登らないと辿り着けない露天風呂を紹介。秘湯まで約4km、2時間から2時間半のコースとなる。1km地点は「風の通り道」と呼ばれ、周囲は岩場で遮るものはなく、強風が吹くと立っていられない。それを越えると道幅約20cmの断崖絶壁の道となる。秘湯まで約1km、延命水という山の水が味わえる水場がある。出発から2時間半、秘湯のある「煙草屋旅館」に到着した。日帰り入浴は1000円で、再び山道を登り標高1465mの「三斗小屋温泉」に到着した。源泉かけ流しで山の中の絶景を堪能できる。温度は39.7℃である。
那須ロープウェイ山麓駅からロープウェイで4分で到着する那須連山で最も高い茶臼岳の9合目から進むルートはアップダウンの多い約5kmのコースで、途中でひょうたん池が望める。三斗小屋温泉は1142年に発見されたと言われており、那須七湯の中で辿り着くのが最も困難な温泉である。
3年前から煙草屋旅館で働く堀越愛香さんは月3回10kgの卵と生鮮食品を背負って登り、旅館では源泉で作った温泉卵が頂ける。宿泊すると地元の食材を使った料理が楽しめ、夜も入浴ができる。この時期は道中の紅葉が楽しめる。
秘湯まで残り2.5kmで足を止め引き返す金澤さん76歳と出会った。那須が地元で3年前にがんを患い、これまでに3回の手術を受けたという。6月に手術を受けてから初めての登山だが、今回は体を考慮し引き返すことにした。