草間彌生の浮世絵版画「七色の富士」。その中には黒い富士山がある。黒い山肌。七色の富士はある偶然がきっかけで生まれた。2014年に84歳の草間彌生が河口湖畔で初めて富士山を目の当たりにした。その時のことを素晴らしいと答えたという。富士山は独立峰で、これほど優美に広がる裾の尾を持つ山は世界でも珍しい。気高くそびえる美しさにすっかり心を奪われた草間。そして描いたのが縦横2mのキャンバスを3つつなげたキャンバス。心の内面を表現してきた草間にとって眼の前の風景を描くのは異例のことだった。
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