土鍋など日本の陶磁器のシェアの8割を占めるのが「萬古焼」と呼ばれる焼き物。この萬古焼の原料を巡って大きな変化が起きている。年間40万個を生産する窯元では原材料として使われるペタライトという鉱石の確保量が、来年以降の生産が不安な状況となっているという。ペタライトはジンバブエの鉱山から輸入しているが、電気自動車の中国メーカーがリチウムがペタライトに含まれているとして鉱山ごと買い取った。鉱山を買った中国企業と交渉を続けてきたが7~8倍の値段を提示され、交渉も2~3年を要するのだという。ペタライトが手に入りにくい中で生産者たちは試行錯誤を繰り返す。別の耐熱原料を組み合わせ、ペタライトの量を減らす試みを行っている。またペタライトに頼らない土鍋づくりも始まっており、シリカという素材を使い釜の温度を変えるなどの試みも始まっている。