東京23区の先月の単身者向け賃貸マンション家賃の平均は、1年前より12%上昇して初の平均11万円余となった。こうした中、家賃の値上げトラブルなどの相談が都内で急増している。今年マンションのオーナーから大幅な値上げを通知されたという50代男性。おととし8月から東京・葛飾区にある築40年のマンションで一人暮らしをしている。家賃は光熱費などを含めて4万6000円。しかし今年1月に管理会社から届いたのはこれまでの1.7倍の7万8000円に値上げするという文書だった。値上げの理由は、管理運営コストの上昇、光熱費・通信費の増加などとしており、通知の1か月後にあたる今年2月から値上げするとしている。通知の1か月前にオーナーが変わっていた。突然の値上げに納得できない一部の住民たちは弁護士を通じ管理会社と交渉を続けているが退去する住民もいるという。都内ではこうした家賃の値上げトラブルの相談が相次いでいる。東京都消費生活総合センターによると、去年4月~今年1月までの家賃の値上げトラブルなどの相談は841件に上り、前年同期比で2倍以上に急増している。値上げに応じなければ退去してもらうと言われたなどの相談が寄せられているという。賃貸借契約には借主・貸主双方の合意が必要で、借主には値上げを拒否できる権利がある。借地借家法では一方的な家賃の値上げは認められておらず借主が直ちに応じる必要はない。ただ貸主側にも請求する権利は認められている。維持コストが増えるなどマンション経営を成り立たせるために昨今の物価高で値上げせざるを得ない状況もある。種田和敏弁護士は、「借主は自分の収入と相談していくらなら出せると、収入状況などを必要な範囲で話して交渉に臨むのが一番おすすめ。逆に大家も強硬に値上げを迫るのではなく率直に話が出来るようなことが大事」だと指摘した。
