中国四川省の山岳地帯には達古氷河と呼ばれる巨大氷河が眠る。これは所謂山岳氷河で、降り積もった雪が圧縮されて、何万年もかけて形成された。氷河を見ようと多くの観光客で賑わうが、この氷河は地球温暖化にともない、4年後までに消失の危機に瀕している。達古氷河から20キロの町では、気候変動で氷河がとけたことも影響したとみられる洪水が発生。達古氷河を守る対策として、雪山にロール状の氷河融解を防ぐ特殊なシートを運び、それを手作業で絨毯のように斜面に敷いている。このシートは南京大学が開発し、テンセントなどと協力して貼り付けを行っている。シートを生産している墨光新能に取材に行くとシートの実物があり、リポーターは「キッチンペーパーみたいな質感」とコメント。このシートは赤外線に対して90%以上の高い反射率を持つ特殊加工がされているので、温度を下げて氷河を守ることができるのだという。サーモグラフィーで見てみても、シートを貼った部分だけ熱を反射して温度が高い状態になっていて、熱を通さず氷河を守っていることがわかる。シートにより氷河のとける速度は3から4倍遅くなり、氷河の先端も例年より約2メートル多く残っていたという。今年は2000から3000平方メートルの広大な範囲にシートを敷き、さらなる効果を見込む。この反射シートを使った取り組みはスイスでも。しかし専門家は「気温上昇のコントロールと放射冷却のような技術、2つが同時に進まないと氷河を守ることはできない」と指摘。スタジオでも「自分に何ができるのか考えて行動しないと」などとコメントがあった。