神奈川県横須賀市のドブ板通りで、戦後間もなく生まれたのが「スカジャン」だ。現在、14の販売店がある。戦後、アメリカ兵が帰国する際の土産として、人気となった。現在、再び訪日観光客から注目されている。2年前に店を開いた山上大輔さんは、スカジャンの刺繍を手掛ける職人だ。8年前、スカジャン職人の松坂良一さん出会ったことがきっかけで、スカジャン職人を目指した。松坂さんは、細部にこだわった刺繍を得意とし、一点ものを制作するレジェンドだ。スカジャンの刺繍で使うミシンは、針が左右に動く。生地を自在に動かすことで、刺繍を施す。横振り刺繍と呼ばれる技術で、糸を縫う向きを微妙に変えたり、密度を調整したりして、糸を縫い重ねると、独特の立体感を表現することができる。一着完成するまでに、3日かかることもあり、大量生産のものよりも割高になる。職人は減り、ドブ板通りで製造し、販売している店は、数店舗となった。山上さんは、スカジャン柄などをデザインする横地さんとともに、横須賀の名物「タコス」を取り入れたデザインを考案した。山上さんは、刺繍技術に興味を持ってもらおうと、店頭で、そのデザインを刺繍した。山上さんは、海外の人にも注目をあびるようなカルチャーとして広がり、横振り刺繍の伝統が続いていってほしいなどと話した。完成したタコスのデザインのスカジャンを紹介した。山上さんの商品は、納品まで4カ月から1年ほどかかるという。