長崎市に原爆が投下されたとき、国が定める地域の外にいたため被爆者と認定されていない人たちが国に被爆者と認めるよう求めていることを受けて厚生労働省は今月下旬から地元の自治体と対応を協議していくことになった。長崎市への原爆投下時に爆心地から半径12キロ以内にいながら国が定める地域の外にいた人たちは「被爆者」ではなく「被爆体験者」とされ、国からの手当てや医療費の助成などに差が生じている。被爆体験者で作る団体は今月9日の長崎原爆の日に岸田総理大臣と面会して被爆者と認定するよう求め、岸田総理大臣はその場で合理的に課題を解決するための具体策を検討していく考えを示した。これを受けて厚生労働省は今月27日から長崎県や長崎市との協議を開始し、今後の対応策を検討していくことになった。原爆の被害者に対する国の政策を改めて検証し、科学的な根拠を踏まえながら被爆者認定の在り方や手当てなど国の支援策を拡大するかどうかなどを話し合う見通し。被爆体験者は高齢化が進み、当事者からは一刻も早い対応を求める声が上がっていて厚生労働省はできるだけ早く議論をまとめていきたいとしている。