神戸市出身のチェ・スヨンさんは在日朝鮮人3世。17歳で被災し、自宅は全壊し、兄を失った。スヨンさんは母校の朝鮮学校で家族と避難生活をおくった。成人式のため進学先から帰省していた兄は崩れた自宅の1階で見つかった。震災では韓国・朝鮮籍の107人が亡くなった。スヨンさんは当時の心境を身近な人以外には話してこなかったが、去年2月から語り部としての活動を始めた。背中を押したのは父・ミンブさん。2018年のつどいでは遺族代表として追悼の言葉を述べた。地元の語り部グループに参加しているミンブさんは15年以上、震災の経験や供えの大切さを伝えてきた。今年83歳になるミンブさんは語り部の活動を続けていくことが厳しくなっている。スヨンさんはいつか自分が語り継がなければと思っていた。スヨンさんは語り部グループに加わり、避難生活での経験を伝えなければと考えた。国籍やルーツを越えて助け合う姿が心に残っているという。自らの経験を災害への備えに繋げたいという気持ちを伝えたた。