全国に十数人しかいないという剣道で使われる竹刀を作る職人の中に、東北で唯一の職人が宮城県仙台市にいる。宮城・仙台市の加藤明彦さん69歳を取材。本格的に竹刀作りを始めたのは60歳の定年退職後。師匠である先輩職人の一言がきっかけ。かつては全て職人が手作りしていた竹刀。しかし機械で量産する安価な外国産に押され、いま国産のものは全体の1%にも満たないと言われている。職人も減り、全国に十数人、東北には加藤さんただ一人。材料の真竹は全て手作業で切り出している。本来は竹が乾燥している冬にしか行いないが、特別に切り出しを見せてくれた。加藤さんの竹刀はフルオーダーメード。ミリ単位まで客の好みに合わせる。全国から注文が来るまでになった加藤さんが心配していることは、「宮城では竹刀を作る人がいないことになる。後継者が欲しい」。自身も剣道七段の腕前。仲間たちも加藤さんの竹刀を愛用。こん身の1本を追い求め、今日も竹刀作りに励む。