災害時、避難所に行かずに自宅で過ごす在宅避難。静岡・裾野市のケアマネージャーなどが支援を必要としている人たちに寄り添いながら高齢者向けのマニュアルを作っている。裾野市で暮らす渡邊春子さんは認知症を患っていて、ケアマネージャーが月に1回ほど介護の計画が正しく行われているかを確認している。夫の武夫さんは病気で目が見えづらく、災害時の避難に不安があるという。武夫さんは自宅に水を貯めるなど、災害への備えを40年近く続けている。トイレには約7リットルの水を備蓄し、寝室や玄関には懐中電灯を置いている。防災に力を入れている渡邊さんだが、改善点もあるという。在宅避難を選択肢の1つにしてもらうため、裾野市のケアマネージャーが動いている。作っているのは在宅避難マニュアルであり、裾野市のケアマネージャーや社会福祉士・防災士が作成している。長引く避難生活は高齢者にとってリスクにつながるため、マニュアルでは在宅避難で高齢者の健康を保つために自宅に備えておくべき非常用トイレや入れ歯などの備蓄品をリストにしている。助けを求めるのが恥ずかしいという高齢者の声を踏まえ、受援力という助けてもらう力を強調した。