先月、NHKの情報提供窓口「ニュースポスト」にある女性から1通の投稿が寄せられた。消防団に入団を希望したのに断られたという内容。全国で地域の防災を支える重要な役割を担う消防団。一般的に18歳以上なら誰でも参加できることになっていて、団員は仕事や家事などと両立して活動している。なぜ女性は入団を断られたのか。その背景を取材した。投稿を寄せた東京・調布市に住む50代の女性。ふだんから地域の防災に関心があり、消防団に応募した。募集しているホームページから入団を申し込んだ女性。しかし数日後、入団を断られた。女性が話した内容について調布市に確認すると「個人の情報を含むので取材には応じられない」とコメントした。市町村ごとに設置される消防団。地元の消防と連携して消火や救助などを行う。しかし団員はこの10年で11万人以上減り、現在は74万人余り。こうした状況に歯止めをかけようと国は女性団員の確保を推し進めてきた。では、なぜ女性が入団できないケースが起きたのか。「女性からの応募を断った」。そう証言する消防団の元関係者にたどりつきた。本間郁浩さん。ことし3月まで府中市消防団の団長として400人近い団員を束ねてきた。4年前、入団を希望する女性からメールが送られてきた。消防団が日々守ってきたこのまちに貢献したい。しかし本間さんはこれを断った。