今回の都知事選挙の期間中、聴衆の不審な行動をAIで検知する新しいシステムを警視庁が選挙警備として初めて運用したことが分かり、演説会場で活用された様子をFNNのカメラがとらえた。参院選の応援演説に訪れた奈良県の大和西大寺駅前で、安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件から今日で2年となった。去年、衆院補選の応援演説中の岸田首相に爆発物が投げ込まれた。今年4月には小池都知事が応援に駆けつけた陣営の演説が妨害される事件が発生した。今回の都知事選。演説現場では厳重な警備が行われ、演説開始1時間前にはバリケードが設置され、たくさんのSPや警察官の姿があった。選挙期間中の小池都知事の演説現場での警備では、演説場所の周りだけでなく聴衆のブースもパイプ柵などで囲まれ、中に入るには手荷物検査や金属探知機によるチェックが必要だった。安倍元首相の銃撃事件の教訓を生かし、演説する人の背後に人が入り込まないよう警備態勢を構築。その一方で、批判の横断幕を掲げる人があちこちに現れ、中にはデパートのエレベーターを使い批判的なビラを掲げている人の姿も見受けられた。今回の都知事選で、小池候補の演説中に聴衆のエリアのすぐ横の高い位置にカメラが設置されていた。危険な動きがあった場合AIで素早く察知する機能。拳銃を取り出そうとする行動や落ち着きのない不審な行動を示す人物がいた場合、AIカメラが検知し、アラートを出すようになっているという。小池都知事が船の上で演説した際は、ドローンを使用した警備や警護が行われたといい、小池都知事も「ドローンが飛んでいる」と認識していた。今回の選挙警備でAIカメラを初めて運用した警視庁は、「こうした新しい技術は、警護・警備を高度化するにあたって、非常に有用なものだと思う。こればかりに頼ることなく、緊張感を持って今後も警護警備に万全を期していきたい」としている。