少子化に歯止めが掛からない。厚生労働省によると去年生まれた赤ちゃんは約72万7000人と過去最低を記録。合計特殊出生率も1.20と過去最低。都道府県別では東京都が0.99で最も低く、初めて1を割った。人口を維持するためには少なくとも2.07を維持する必要がある(厚労省HP)。独自の取り組みで全国の倍近い出生率を実現した岡山県奈義町。4月に開園した「なぎっ子こども園」。3歳未満の保育料は所得によるが国の基準の半額程度。3〜5歳は無料。希望すれば乳幼児の紙おむつが使い放題になるおむつのサブスクを利用できるなど子育て世代の負担を減らすためあらゆる手を尽くしている。奈義町は合計特殊出生率が一時2.95まで到達。こども園に預けず自宅で育児をする人に子ども1人あたり月額1万5000円を支給。出産祝い金10万円、高校生への就学支援、医療費無料など切れ目のない経済的支援でサポート。きっかけは22年前、他の自治体との合併話が持ち上がり消滅の岐路に立たされたこと。町は職員や議員の数を削減。公共事業の見直しや効率化など徹底的なコストカットで子育て予算の充実を推し進めた。高い出生率は「町全体での子育て」の成果。