医療機関に支払われる診療報酬の来年度の改定をめぐり、武見厚生労働大臣は今日、鈴木財務大臣と協議を開始する。厚生労働省と財務省は、医療従事者の賃上げが必要だという認識では一致している一方、人件費などに充てられる「本体」部分の扱いをめぐっては意見に隔たりがあり、調整が本格化する。医薬品の公定価格の「薬価」については、市場価格にあわせて、1パーセント程度引き下げられる見通しとなっているほか、厚生労働省と財務省のこれまでの調整では、看護補助者などの医療従事者の賃上げが必要だという認識で一致している。賃上げの財源をめぐっては意見の隔たりがあり、厚生労働省は「30年ぶりの物価・賃金の上昇局面にあり、ほかの産業並みの賃上げを実現する必要がある」として、人件費などに充てられる「本体」の引き上げを主張している。財務省は、現役世代の保険料負担を軽減する必要があるとして、「本体」は引き下げ、賃上げの原資には、全体的に経営状況が良好な診療所の利益剰余金などを充てるべきだとしていている。