- 出演者
- 矢内雄一郎 大浜平太郎 平出真有 藤井由依 広木隆 村山恵一 高島修
オープニング映像。
株と為替の値動きを伝えた。地政学リスクが引き続き投資家心理の重荷になっている。ダウは小幅に上昇する場面も見られるものの、ウクライナがロシアにミサイルを発射したとの報道を受け、リスク回避の動きが続いている。決算発表を控える半導体大手・エヌビディアは2.9%下落する場面も。エヌビディアの決算でAI(人工知能)需要の動向を見極めようと積極的な買いは手控えられている。決算発表で業績見通しを引き下げたターゲットが一時21%を超えて急落したほか、他の小売企業も売りが優勢。
アメリカのディスカウントストア大手・ターゲットの8-10月期決算は増収減益で、売上高と調整後の一株利益が市場予想を下回った。大規模な値下げにより客足が伸びた一方、長引くインフレで裁量品の需要が減速したとしている。2025年1月期通期見通しについては、調整後の一株利益を従来から引き下げた。決算を受け、ターゲットの株価は一時21%を超えて下落した。
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米国通信メディア大手・コムキャストは、傘下の経済テレビ局「CNBC」などのケーブルテレビ局事業を分離、独立する計画を発表。ケーブルテレビ局事業は、年間売上高が1兆円以上に上るものの、動画配信サービスの普及で契約打ち切りが増加している。今後は地上波のテレビや高成長が見込める動画配信「ピーコック」に経営資源を集中させる。
アメリカの自動車大手・フォードモーターは、2027年末までにヨーロッパで4000人の追加人員削減を計画していると明らかにした。主にドイツとイギリスで実施し、ヨーロッパの従業員全体の14%にあたる。自動車産業がEV(電気自動車)に移行し、競争が激化する中、乗用車の需要が弱まっていることが理由と説明している。
イギリスの10月消費者物価指数は、1年前から+2.3%と前月から加速し、イングランド銀行が物価目標とする2%を再び上回った。電気、ガス料金の上昇により、全体が押し上げられた。イングランド銀行が、金融政策を判断する際に重視するサービス価格が、5%上昇と前の月から伸び率が拡大したほか、コア指数(食品、エネルギー、アルコール、たばこ除く)も伸びが加速し3.3%のプラスだった。
ニューヨーク証券取引所から第一生命(DLI NORTH AMERICA)・松谷拓弥氏が解説。20日のニューヨーク株式市場について、「ウクライナ情勢をめぐる地政学リスクが一段と高まっているほか、FRBの利下げペースが鈍化するとの懸念も続きナスダックが下落。ターゲットの決算は売り上げ、利益ともに予想を下回った。一方、昨日ウォルマートは決算発表後に株価が上昇し、小売決算は明暗が分かれている。ターゲットは必需品以外の需要が減速したほか、ストライキに備えた在庫積み増しによる追加コストなどで打撃を受けたとしている。ウォルマートは幅広い顧客のニーズに応えるため、高級食品ブランドの導入やオンライン商品を拡充し、米国国内の客数が3.1%増加。両社ともホリデーシーズンに対してはおおむね楽観的な見通しを示しているが、小売企業の今後はトランプ次期政権の関税政策によるコスト増などが懸念されている。ウォルマートのCFOは追加関税に備え対策を講じているものの、実際に導入されれば「一部商品の値上げは避けられない」と述べている。関税により米国の家計は年間で最大7600ドルのコスト増に直面するとの調査もある(イエール大学の調査)。特に低所得世帯に大きな負担をもたらすとされるため、今後の動向に注視している」などと話した。
その他のマーケットの値動きを伝えた。
高島さんは、「イングランド銀行は、すでに金融緩和に入っている。正確にいうと金融引き締めの解除を緩やかに行っているが、思ったようにインフレが落ちてきていない印象。サービスインフレがおちてきていないことが判明。シティグループでは、イングランド銀行の金融政策は、四半期に1度くらいの利下げを見込んでいる。今年8月、今月と利下げしたため、次は来年の第1四半期とみている。今週の講演で、イングランド銀行・ベイリー総裁の発言がちょっとタカ派的。先月末にスターマー労働党政権が提出した予算の中で、付加価値税(日本の消費税)の増税は見送られたが、国民保険料の雇用者負担の増加を盛り込んでいる。消費者に転嫁されるならインフレ上振れ要因と言っていて、スターマー政権の財政政策が微妙にイングランド銀行の金融政策に影を落とし始めていることが重要ポイント」などと話した。
為替の値動きを伝えた。
高島さんの予想レンジは154.75~156.25円。注目ポイントは「トランプ関税でドル高か?ドル安か?」とし、「トランプ次期政権の経済政策が米ドルに影響を与えるルートは5つあると思う。1つは財政刺激策とそれに伴う米金利の上昇→ドル高的。次に関税政策→ドル高的。一方で通貨政策ではトランプ氏はドル安を好むと明言していて、FRBの金融政策でもトランプ氏は金融緩和思考。一方でエネルギー政策では原油などが下がる政策が取られるとみられていて、現在の状況であれば原油安はインフレ定価を通じて米ドル安になる可能性が高いと思う。特に関税政策の影響で米国内のインフレが上がるとFRBの判断はなおさら難しくなる。ただしエネルギー政策で原油が下がれば金融緩和に動きやすくなり米ドル安が進み始めるかもしれない。近年ドル円は人民元との相関が高いのでトランプ関税で元安となるときに円安ドル高になるリスクが警戒される。ただし原油安や米金利が低下する場合は人民元安のなかでもドル安円高になることはありえると思い、当面は150円前後で高止まったまま来年はドル円は次第に下落していく、円高ドル安になっていくと見込む。」などと述べた。
10年国債の値を伝えた。
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JPモルガン証券・高田さんの予想レンジは37800~38500円。注目ポイントは「アメリカ保護主義と不確実性への備え」とし、「足元のグローバル株式は方向感が見出しづらい状況。これには日本株投資家も含めて多くの参加者がトランプ次期大統領の政策姿勢を吟味している影響がある。なかでも株式市場ではトランプ第一次政権の記憶から米国の貿易・技術政策面での保護主義化が焦点となっている。仮に貿易戦争を巻き起こす事態となればそれ自身が世界的な不確実性の増大を引き起こす確立が高い位置になると見られる。不確実性が高まると日本株に対しネガティブな影響が生じかねないと見ている。ただ前回の貿易戦争中はグローバル投資家が日本のみならずアジア圏全体を慎重評価していた傾向がある。来年以降貿易政策を含むアメリカのアジア外交戦略の全体像が重要と言えそう。日本株投資家のマインドが慎重に傾いてしまっているのは過去のパターンを否定するうえで十分な材料不足に起因している可能性がある。」などと述べた。
政府が近くとりまとめる新たな経済対策をめぐり、自民党・公明党・国民民主党は、いわゆる「年収103万円の壁」を引き上げる内容を盛り込んだ修正案で合意した。修正案では、国民民主党が求める「年収103万円の壁」の引き上げについて、税制改正の中で議論し引き上げると明記したほか、ガソリン減税についても自動車関係諸税全体の見直しに向け検討し、結論を得るとしている。3党の政調会長は、今年度補正予算案の早期成立に向けて協力する方針も確認し、合意文書も交わした。国民民主党・浜口政調会長「103万円の壁の第一歩が踏み出せる」と述べた。一方で、「年収103万円の壁」の見直しで大幅な税収の減少が懸念されているが、今日の自民党税制調査会で、3党の合意を踏まえて具体的な協議に入るとみられる。
日本政府観光局が発表した1月~10月の訪日外国人数は3019万人となり、1964年の統計開始以来、最速で3000万人を突破した。円安や航空路線の増便などが後押しし、年間の累計でも2019年を上回り、過去最多を更新する見通し。10月は331万2000人で、単月として過去最高を記録。紅葉シーズンを迎えて日本への旅行人気が高まり、中国やアメリカなどからの訪日客が増加した。
不動産経済研究所によると、首都圏の1都3県の10月の新築マンションの平均価格は、1年前と比べ、40.7%高い9239万円だった。高額な物件のまとまった販売があり、売れ行きが好調だったことが押し上げた形。発売戸数は23.4%増えた1833戸で、7か月ぶりに増加した。
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財務省が発表した10月の貿易統計によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は4612億円の赤字だった。赤字は4カ月連続。輸出は1年前より3.1%増えた9兆4267億円で、2カ月ぶりに増加。半導体の製造装置や医薬品が伸びている。一方、輸入は0.4%増えた9兆8879億円だった。
中国で事業を展開する日系企業でつくる「中国日本商会」が公表した会員企業約1500社に対するアンケート結果で、中国経済について「やや悪化」・「悪化」と答えた企業が64%にのぼり、8月の前回調査から4ポイント増えた。中国国内で殺傷事件が相次いでいることから、駐在員や家族の安全確保を求める声が前回の調査から2倍以上に増えた。