“実質賃金”は名目賃金(現金給与総額)に物価の変動を反映させたもの。8月は物価の上昇に賃金の伸びが追いつかず−0.6%と3か月ぶりにマイナスとなった。赤澤経済再生相は「実質賃金のプラスが続かないと間違いなく国民生活は苦しくなっていく」と述べた。要因は名目賃金の伸びの鈍化。6月の名目賃金は+4.5%だったが7月は+3.4%、8月は+3.0%と水準よりは高かったが物価の上昇を補うことはできなかった。SMBC日興證券・宮前耕也シニアエコノミストは「人手不足を背景に賃金の伸びは今後も続く。電気ガス料金への補助が家庭の料金に反映される。9月からは実質賃金は再びプラスになるだろう。補助金なしでプラスが定着するには生産性の向上が必要」と指摘している。