ことしも多くの食品の値上げが予定される中、街から聞こえてきたのは卵の価格を心配する声。今週火曜日、埼玉県内のスーパーを取材。Mサイズ10個入り149円(税別)の卵を特売品として1000パック用意したものの午後2時過ぎには完売していた。その一方で1パック200円台の卵は通常価格ではあるもののあまり手が付けられていなかった。東京の卵1kgあたりの平均卸売価格は、去年1月は180円だったのに比べ、今週火曜日は225円と去年の1.2倍以上。しかし今後さらに価格が高騰する懸念も。今シーズン既に14道県21カ所で鳥インフルエンザが発生。元東京農業大学教授・信岡誠治さんは「鳥インフルエンザのシーズンは今まで11月から3月とされてきたが、4月や5月でも確認されている」と話す。加えて猛暑が長引き鶏が夏バテするなど、卵が安定供給される期間が短くなり、価格が下がる可能性は低いという。都内のオムライス専門店「リトルヤミー」結城良宏店長は「卵とコメの高騰で打撃を受けている」と話す。コメの仕入れ価格はこの1年で2倍近くになり、卵の値上がりも含め、ひと月あたりの仕入れの負担が8万円増えたという。去年のコシヒカリ平均小売物価のグラフでは11月には1.6倍以上に。店では一部商品を100円〜200円値上げしたが、ただただお店の利益が減っている形で店を続けるのは苦しいという。今後の米の価格について、キヤノングローバル戦略研究所・山下一仁研究主幹は「(新米が出始める)9月末までは高止まりが続く」と指摘。