長野県ではバスの運転手不足により路線の廃止や運休が相次いでいて、地域の公共交通をどう維持するかが課題となっている。そこで県が着目したのが移住者。昨年度、過去最高の3300人余りが県外から移住するなど長野は人気が高く、移住してきた人が運転手になった場合、引っ越し費用などを補助して、人材を確保しようという取り組みを始めた。観光客が増加し、バスを利用する人が増えている軽井沢町。取材をしたバス会社では、路線バスや貸し切りバスを運行している。20人余りの運転手が在籍しているが、バスの需要が高まる中、新たに運転手を希望する人が集まらず、必要としている人数よりも10人ほど足りていない状況。運転手の小笠原崇さんは、神奈川でおよそ20年間、路線バスの運転手をしていた。ことし3月に県内に移住して、県が今年度から始めた支援制度の1人目の対象者になった。県がバスの運転手確保のために始めた制度は、直近2年以上県外に住んでいて、移住してきた人が対象。路線バスの運転手になった場合、県から会社を通じて最低30万円が引っ越し代金などとして支給される。県は毎年増加を続ける移住者に注目して、この制度を始めた。佐久市にことし開校した小学校に、子どもを通わせるために移住した小笠原さん。支援制度への理解が深まれば、移住してバスの運転手になりたいという人たちを後押しすることになると感じている。