きょうの為替の見通しについて、三菱UFJ信託銀行・酒井基成が電話で解説。予想レンジは140.00円~141.70円。きのうはFOMC(連邦公開市場委員会)での大幅な利下げ期待を背景に140円を割り込んだが、その後は140円台に戻している。本日も利下げ幅に関して市場での見方が割れる状況が持続しそう。身動きとりづらい状況だが、突発的な値動きには注意が必要。注目ポイントは、「”円安”は終わったのか?」。足元は円高で推移してるが、そうでもないのかも。円売りを支えてきた要素について考える。「デジタル赤字」我が国の経済収支のうち、サービス収支は恒常的に赤字を計上してる。最近では、デジタルサービスの海外への支払いにより、その他サービス収支の赤字が拡大してる。この傾向は今後も続きそう。「外貨建て資産への資金流入」直近5年の外国株投資への資金流入は、新NISAの導入に伴い2024年から大幅に増加してる。今後も口座数の増加と継続的な資金流入が想定される。「投機的な値動き」前回、買い越し超過になった米国の利下げ局面に着目すると、2019年のように予防的利下げであれば、円買いは一時的。一方、2020年のようにリセッションに伴う利下げであれば円の買い越しが長期化してる今後もデジタル赤字や外貨建て資産買い付けは継続が見込まれる。FRB(連邦準備制度理事会)の利下げが米国景気を下支えする予防的利下げになれば円売りは継続しそう。日米の金利差縮小でドル円の上値が切り下がる展開になっても下押しは限定的になる可能性がある。米国景気は腰折れしているわけではないと思うので、FOMCでは0.25bpの利下げを実施し、大幅利下げのカードは切らずに御存ずると想定。