円相場に影響を及ぼす米国のFRB(連邦準備制度理事会)の金融政策を決める会合が開かれ、31日、8会合連続で政策金利を据え置くことを決定したと発表した。一方、FRBのパウエル議長は会合後の記者会見で「次回9月の会合で利下げを決める可能性がある」と述べ、米国の金融政策の転換点が近づいていることが示された。FRBは31日までの2日間、金融政策を決める会合を開いた。その結果、政策金利を現在の5.25%から5.5%の幅に据え置くことを決定した。FRBが金利を据え置くのは8会合連続。一方、声明ではインフレについて前回の「依然として高い」から「いくぶん高い」に表現を弱め、雇用の伸びについては「強い」から「緩やかになっている」と表現を変えた。インフレと物価上昇の要因となってきた労働市場のひっ迫が改善してきたという認識を示した形。FRBは記録的なインフレを抑え込むために2年余りにわたって金融引き締めを続けてきたが、金融政策の転換点が近づいていることが示された。この会見を受けてニューヨーク外国為替市場では、円相場は一時およそ4か月半ぶりの水準となる1ドル149円台半ばまで値上がりした。またニューヨーク株式市場では買い注文が増え、ハイテク関連銘柄の多いナスダックの株価指数が2%を超える大幅な上昇となったほか、ダウ平均株価も値上がりした。