第一生命(DLI NORTH AMERICA)・松谷拓弥の解説。トランプ大統領が「クレジットカードの10%の金利上限案」を要求している。現在のアメリカのクレジットカードの金利水準は平均20%前後と高い。FRBの統計では残高持ち越し層(リボ払い使用)は約22%。トランプ大統領の狙いは高金利が生活コストを圧迫する問題ととらえ家計を助ける姿勢を分かりやすく打ち出すこと。クレジットカードは担保のない借り入れであり返済できなくなる人が一定数でることを前提に成り立っている。カード会社はその損失を補うために金利を高めに設定してきた。近年はポイントやマイルなど顧客向けの特典競争が激しくなっているため加盟店が払う手数料だけではコストをまかないきれないケースが増えている。カード利用者からの利息収入も特典を支える原資になってきた。クレジットカードの借入残高は約1.2兆ドル、うち約7割が残高持ち越し(リボ払いによる借り入れ)。カード金利10%による利息負担は年間1000億ドル減少との試算もある。カード発行会社は金利上限が設定されると信用力が低い層では利益が出にくくなるため、審査を厳しくし利用限度額を下げるなど新規発行を抑える可能性がある。利息収入が減れば特典の縮小、年間費引き上げなど中間層にも影響は波及しかねない。
