きょうの株価の見通しについて、JPモルガン証券の西原里江が解説した。日経平均の予想レンジは62500円~63500円。米中首脳会談を受けて、基本的には上昇基調。きのうのように日本の長期金利が急上昇すると重しになる。注目ポイントは「AI相場、どこまで続くか」。3月に中東情勢を受けて相場は調整後、AIや半導体が牽引する「AI相場」が4月以降世界的に加速化している。アメリカではS&Pの時価総額が8兆ドル増加する中で、その8割がAI関連だった。日本でもTOPIXの時価総額が142兆増加する中、約6割がAI・半導体関連だった。今回のAI相場の背景には、AI企業の利益成長や設備投資増といった実勢の裏付けがあると考えられる。利益の成長についてはS&P企業の26年純利益の市場予想が前年比2割増に対し、半導体セクターでは9割の増益だった。アメリカのビッグテックのAI投資も、先月の決算で6~7割増の0.7兆ドル超に引き上げられ、1、2年後のさらなる利益成長期待につながっている。日本についても現在進行中の3月決算発表でプライム企業全体で1割の増益で、電気・精密セクターは6割増益と力強い成長になっている。時価総額世界トップ10をみると(J.P.モルガン作成)、AI事業に力を入れている企業が9社となっている。市場はAI成長を取り込んでいるが、それでも今後想定されるアンソロピックやOpenAIのIPOによる相場の上昇までは折り込みきれていないのではないかとみられる。この2社の時価総額はそれぞれ0.9兆ドルなどと想定されていて、上場後すぐにトップ10や15入りする見込み。この上場がS&P500を押し上げ、AI相場を長続きさせる可能性がある。市場は来たるべきAI相場の転換点にも注意していて、第一にFRBにの利上げがAI相場の逆風になりうる。市場の利上げ折り込みは4月のFOMC、今週の原油高を受けて、来年の半ばまで政策変更なしとの見方から7、8割の利上げ折り込みまで変化している。欧州議長就任による変化も注目される。またOpenAIなどのIPOがAI相場のピークとなるという見方もある。時期は今年の後半から来年前半とみられているが、この前後の動きが注目点になる。一方で今後相場調整があったとしてもAIがもたらす変化は本物で、長期目線では成長が続くという見方が多い。日本におけるAI相場の持続性を考えるうえでも、AI成長をめぐるグローバル市場の見方とEFETの動向に注意して行く必要がある。
