週刊文春側を訴えていた、ダウンタウンの松本人志がきょう、訴えを取り下げ、午後5時過ぎに吉本興業のホームページで「これまで、松本人志は裁判を進める中で、関係者と協議等を続けてきたが、松本が訴えている内容等に関し、強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認した。その上で裁判を進めることで、これ以上多くの方々にご負担、ご迷惑をおかけすることは避けたいと考え、訴えを取り下げることにした」というコメント発表した。また「参加された女性の中で、不快な思いをされたり、心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば、率直におわび申し上げる」と謝罪した。事の発端は去年12月、週刊文春に掲載された性的行為への強要疑惑。双方主張は真っ向対立。松本はことし1月、記事で名誉を傷つけられたとして、発行元の文藝春秋と編集長に対し、5億5000万円の慰謝料などを求める訴えを起こしていた。注目の裁判はことし3月にスタート。1回目の口頭弁論には、僅か19の傍聴席を求めて、691人が並んだ。裁判で争われたのは、記事が真実だったか、そして真実だと信じる相当の理由があったか。訴状で松本は「客観的証拠は存在しないにもかかわらず、一方的な供述だけを取り上げて記事として掲載するという、極めてずさんな取材活動に基づくものである」と主張。一方の週刊文春側は「複数回の取材を重ね、証言の具体性があるか、当時の状況と矛盾しないかなど、慎重に検討した。記事は事実だ」と反論し、どの部分が事実に反するのか、明確にするよう求めた。松本側は、特定の女性が誰か特定されないと認否できないと主張し、週刊文春側は、個人情報は回答できないとしている。次回の審理は来週月曜日に予定されていたが、きょう、松本は訴えを取り下げた。文春側も「本日お知らせした訴訟に関しては、原告代理人から心を痛められた方々に対するおわびを公表したいとの連絡があり、女性らと協議のうえ、被告として取り下げに同意することにした。なお、この取り下げに際して、金銭の授受等が一切なかったことは、お知らせのとおり」とコメントした。吉本興業は、松本の活動再開について、関係各所との相談のうえ、決まりしだいお知らせすると発表している。