2025年7月6日放送 10:00 - 11:45 フジテレビ

検証 フジテレビ問題 〜反省と再生・改革〜

出演者
木村拓也 宮司愛海 石戸諭 矢守亜夕美 
検証 フジテレビ問題 第一部 反省
”カメラなし”会見

フジテレビの問題で批判を受けたのはまず1月17日の記者会見への対応だった。会見にカメラを入れない形式をとった。港浩一元社長は、定例社長会見が組まれていて、いつも、テレビカメラを入れていなかったという。会見までの4日間を検証。場当たり的な対応と危機意識の希薄さが浮き彫りになった。1月14日に「95億円減収の可能性」の情報が港浩一社長に入った。15日、 週刊誌で続報を報じることがわかった。元編成部長をめぐる疑惑だった。21日の記者会見を模索。コンプライアンス室長らに17日に前倒しになるという情報が入った。元常務の石原正人氏は港社長が決めたという。あまりにも拙速だとコンプライアンス室長は感じたという。嘉納元会長は事情は聞いていなかったとのこと。小林毅氏は、17日に会見を行うことを突然知らされたとのこと。取締役が議論することはなかった。ガバナンスは機能していなかった。テレビカメラを入れると、Aさんに悪影響を与えることになるとカメラを入れなかったとのこと。港浩一元社長は判断ミスだったという。記者からの質問に対して、会社の対応を回答しなかった。調査委員会で調査するとこたえるばかりだった。会食については答える立場にないと述べた。フジテレビは全体像や背景を調査していなかった。説明責任を果たせる情報を持ち合わせていなかった。コンプライアンス推進室長は、弁護士から具体的なことをいうほど人権侵害になるという指導があると言われたとのこと。フジテレビ経営幹部に、社会一般における人権意識との大きなズレがあると第三者委員会の報告書には記載がある。報道番組での一幕が象徴している。フジテレビのニュース番組では謝罪と表現。しかし、その後「説明」と変わった。これは経営陣の意向が反映された。だれに対する謝罪なのか。小林毅氏は「謝罪」に違和感があったという。この会見を機にフジテレビは視聴者からの信頼を喪失した。スポンサーのCM出稿停止となった。10日後に、ふたたび記者会見が開かれた。港社長らは女性Aさんに謝罪した。

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検証 フジテレビ問題 反省と再生・改革

問題は大きくわけて2つある。1点目は、フジテレビは報道機関であり様々な取材ではテレビカメラを要求していて、定例会見でテレビカメラを入れないのは理屈としておかしい。2点目は、人権を守る、Aさんへの対応、これを表向きな目的にしたことだ。企業を守る意識から人権意識が薄くなった。結果的に企業の価値を損ねた。人権リスクが顕在化した。経営リスクとはイコールではない。

経営幹部による不適切会合

今回の事案は、取引先であるタレントとの間で起きた人権侵害。報告書は、取引先の関心を得るためフジテレビで行われていた性別・年齢・容姿に着目した会合が人権侵害のリスクを助長していた可能性を指摘。参加者の証言を紹介。2010年代後半に撮影された写真には、港浩一元社長と若手女性社員が写っていた。彼女らはあるチームのメンバーに選ばれた社員だった。メンバーだった2人が取材に応じた。入社して1カ月の頃、先輩からある会合の誘いを受けたという。会合場所である都内の高級飲食店へ向かったら、港社長と様々な部署の女性社員たちがいたという。彼女たちは港氏主催の会合に参加するチームのメンバーだった。主な目的は、芸能プロダクションなどとの会合だったが、メンバーを労う会合などもあった。第三者委員会の報告書によると、このチームは港氏がバラエティ担当の役員だった2010年ごろ作られた。メンバーの選定方法は、新入社員から新メンバー候補が選出され、入社式で当時役員だった港氏に提案されていたという。チームには暗黙のルールがあった。他にどんな用事があっても基本的には必ず参加。選ばれていない女性もいるのであまりこの会のことは外に言わないでほしいとは言われたという。証言について港氏は、「取引先へのお酌を女性1人でやっていたので、こういう会があった時のためにチームをつくったらいいんじゃないかというのが発端」「チームの存在を口外することを禁止していたのは冗談」などと述べた。報告書では、港氏が参加する会合では不快な思いをしたと述べる人はいなかったと記されている。ところが、港氏がいないところでもメンバーらの存在を知った番組プロデューサーらが個別に接触し、接待に参加させていたこともあった。こうした港氏がいないところで行われていた接待は女性の負担となっていた。メンバーだった2人は「違う部署の女性の先輩と知り合えたというのは人脈として広げられたというの個人的にはよかったと思ってた」「とりあえず接待のために呼ぶ、女性だからというのは女性軽視」「異様な会だったなと思う」などと述べた。証言について港氏は、「先輩後輩のつながりが持てる良い会だなと思ってたから意外でしたし、申し訳ないなと思う」などと述べた。男性社員がいないのは、女性だけのほうが仲良く慣れるからなどとし、今の時代だと許されない会合なんだろうなと思っているという。この会合は2015年ごろまで定期的に開催され、その後頻度が減りコロナ禍を機に終了したという。

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さらにもう1人の幹部の大多亮氏もこうした会合を行なっていた。大多氏が呼んでいたのは会社の女性アナウンサー。会合に参加した女性アナウンサーが取材に応じた。大多氏は数々のヒットドラマを手掛けバラエティの港氏と共にフジテレビの黄金期を支えた人物。女性アナウンサーは、大多氏が女性アナウンサーについて語った「女性アナウンサーは上質なキャバ嬢だ」などが忘れられないという。なのでそういう会で盛り上げられる能力があるだけアナウンサーとしての資質も高いという評価に繋がっていたため、一生懸命に接待をみんながなB楼と必死になっていたという。発言の真意について大多氏は、「私の言葉の選び方が悪い」などと述べた。大多氏が女性アナウンサーに社外の会合への参加を呼びかけるメッセージを再現。会合には若い女性のみが選ばれ、基本的に既婚者はその会には呼ばれないという。女性は会合で不快な会話に嫌な気持ちになったが、断ると仕事がなくなってしまうのではないかという恐怖があったという。一方、参加したアナウンサーの中には、出演者と話せて勉強にもなったと語る人もいた。会合について大多氏は、「会食や懇談会は会を開いた人の責任としてやっていけばいいと思っている。でも中身がどうなんだということであるならば謝らなければならないし、そういうことを全てアップデートしていかない限りはいけない」などと述べた。

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ハラスメントへの”あきらめ”

第三者委員会の報告書はハラスメントがまん延した一因として「被害の申告が適切に対処されなかった」ことを挙げている。それは反町理氏に対する対応。2018年、週刊誌に反町氏の後輩女性社員に対する10年余前のハラスメント疑惑の記事が掲載された。当時反町氏の地上波でのキャスター起用が決まっていたが、報道局内では反対の声が上がっていたという。反町氏のキャスター起用を決めたのは当時の宮内正喜社長と岸本一朗専務らだった。反町氏は被害女性のいない報道局内の全体会議の場で謝罪。ただ会社側は「ハラスメント事案とは認定するに至らず落着している」と結論付けた。反町氏は番組のキャスターを辞めることなくさらに昇進していった。取材に応じた宮内氏は「番組を守る気持ちが全くなかったわけではない」とした上で、反町氏の昇進については「スキル・実績を勘案し取締役にした。今思えば当時の判断が良かったか考えるところ」などと話した。報告書にはハラスメント事案に目をつぶり続けた会社への諦めの声が記載されていた。岸本氏は取材に応じず、反町氏は「第三者委員会の報告書を尊重します」などとコメントした。フジテレビは岸本氏に役員報酬3カ月分の自主返納を求め、反町氏については2007年頃に口頭注意を受けていることなどから処分できずとしながらも契約を終了した。また当時の報道局長だった石原正人元常務には、被害を否定する声明を出したことで被害者への二次被害を与えたなどとして、2カ月の懲戒休職相当などとした。

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検証 フジテレビ問題 反省と再生・改革

石戸さんは「経営陣の不適切会合は率直に言って驚いた」などと話した。矢守さんは「あまりにも前時代的で驚いた」などと話した。

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”日枝体制”の長期化

3月27日、日枝久氏の取締役相談役の退任を発表した。尾上規喜元監査役は発表の直前に日枝氏と話をしていたという。1961年にフジテレビに入社した日枝氏は報道や広報の仕事を経て編成局長に就任した。当時、直属の部下だったのが遠藤龍之介元副会長だった。日枝氏らが打ち出したスローガンが「楽しくなければテレビじゃない」。フジテレビは視聴率年間三冠王を獲得した。当時副社長でフジテレビで実権を握る一族の鹿内春雄氏から銀座に呼び出されたというエピソードがあった。1988年50歳で社長に就任した。日枝氏は代替わりした鹿内体制に対してクーデターを起こし実権を握った。力の源泉は人事権の掌握だという。日枝氏が社長を退き会長になった2001年に社長に就任した村上光一氏は人事で互いに主張があったという。2017年に会長を退き代表権がなくなったあとも人事への影響力を持ち続けた。日枝氏の社長退任以降、フジテレビの社長には24年間で8人が就任した。遠藤氏は10時間会見の前日に日枝氏と面会し辞任を迫ったという。取材を申し入れても日枝氏は取材に応じなかった。フジ・メディア・ホールディングス株主総会では会社側が提案した取締役選任案が賛成多数で承認された。

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検証 フジテレビ問題 第ニ部 再生・改革
検証 フジテレビ問題 反省と再生・改革

人権意識向上のための対策として、サステナビリティ経営委員会を新設したり、全社員・常駐スタッフに調査アンケートを行ったりしている。清水社長が社員と直接対話をするスモールミーティングには、5月末の時点でのべ100人が参加している。ハラスメント被害の救済として、従来の窓口に加え外部弁護士による救済窓口を新たに作っている。さらに5月28日、ハラスメント被害者を守るためにカスタマーハラスメント対策マニュアルを策定した。4月30日には「楽しくなければテレビじゃない」からの脱却を宣言し、編成・バラエティ部門を解体・再編することを発表した。清水社長は、「使命を能動的に果たさないといけない。その使命が何かを分かっていないといけない」などと述べた。

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無意識に見過ごしてきたことはないか胸に手をあてて自分たちに問うたという宮司さん。自分が言っても変わらないと思った瞬間があったという。安心して働ける職場環境をつくるために行動するという。信頼してもらえるコンテンツを作るという。厳しい目でみてほしい。

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