葉山加地邸の建築前の設計図と実際の建物を見比べると左右の位置が逆になっている。建設工事が始まり、現場に赴いた遠藤は、実際に建てる土地や景観を改めて確認するや、突如作業を中断させた。当初の設計図の配置を反転させてしまったという。2階にある展望室からは葉山の町を見下ろせる圧巻の景色が広がる。さらに遠くには相模湾も。遠藤が設計した展望室のパーゴラは、日差しを和らげるだけでなく、景色を切り取って一幅の絵画へと仕立てるための工夫。この景色にこだわったからこそ、建物の位置を反転させた。遠藤は「まず地所を見る。地所が建築を教えて呉れる」と語っていた。
