週明け、株式が買い戻されたがその流れは続くのか野村グループ・藤井さんに聞くと「短期的には年金基金をはじめとする機関投資家による月末のリバランスが大きく影響するとみている。グローバルでリスク資産を保有している投資家は各種リスク資産の値動きに合わせて定期的にポジションを調整している。彼らは投資ポートフォリオの資産配分を事前に設定しており、相場変動によって資産比率がずれた場合に調整する必要があるため。例えばある年金基金が株式を50%、債権を50%保有することを目標としているとする。株価が上がれば株式の比率は60%に増えてしまうかもしれないが、この場合は株式を売って50%に戻す。この行為を”リバランス”と呼び、一般的に月末や四半期末に行う。足元ではS&P500をはじめ米株が大きく下落していることから、今月末のリバランスは米株買い方向で行われるとみている。リバランスの時期が近づくとそれを見越してヘッジファンドなどが先物等を用いてポジションを作るのが一般的。足元のように米株が買われると予想される場合、ヘッジファンドは事前に米株の買いポジションを作るが、実際に年金税が買いに入ると売りに転じる。このような場合、月末にかけて株価の上昇幅を押し下げられるか、逆に下落することとなる。ただ、今回は異なる展開となる可能性がある。先週末、S&P500などの指数を対象としたリバランスが行われたが、ヘッジファンド等による事前のポジションづくりがあまりみられなかった。ボラタイルなマーケットを前にリスク許容度が縮小しておりポジションづくりを控えたとみられる。今回のリバランスの際も事前のポジションが少ないとすると年金勢による米株買いにより米株指数は順方向に動きやすく、素直に株価上昇に繋がる可能性が高いと考える」と伝えた。